降ってくる建物の破片の脅威から逃げるには!?

降ってくる建物の破片の脅威から逃げるには!?

巨大なヒーローと怪獣が戦う現場にいるとき、脅威の1つとして考えられるのが、戦いの余波で崩れたビルの破片などが降ってくることだろう。

『巨影都市』には、その恐怖が正面から描かれているシーンがある。
光の巨人と対峙する巨大宇宙人が、突如飛び立つ。その足がビルに接触し、破片がバラバラと降ってくる!
ゲームの画面では、破片がプレイヤーと女性の頭や肩に当たっているように見える。女性など「あうっ!」と悲鳴を上げているようにも聞こえる。筆者の目と耳が確かなら、大丈夫なのだろうか、このヒトタチ!?

もちろん、大丈夫なはずがない。ゲームでよかった~、と胸を撫で下ろすばかりだが、ここで考えたい。
『巨影都市』は、現実の街で巨大なヒーローと怪獣が戦い始めた場合を想定したシミュレーション訓練とも捉えることができるだろう。巨体同士の戦いで、建物の破片が降ってきたら、どう対処するべきなのか?

直撃まで3秒!

まず明らかにしたいのは、破片がどんな高さから落ちてくるのかということだ。

状況は、こうだった。ビルは、光の巨人の身長より高く、そのビルの最上部の角が、三角錐型に欠けて落ちてきた。プレイヤーたちは、ビルのすぐそばを通る高架の線路にいた。

ここから考えると、破片の落差は50mほどだろう。この高さで、ビルの一部が砕かれて多数の破片が発生すると、それらは平均して、次のような速度と高度で迫ることになる。

  • 1秒後、地上45mを、時速35㎞で落下。
  • 2秒後、地上30mを、時速70㎞で落下。
  • 3秒後、地上5mを、時速106㎞で落下。
  • 3.14秒後、地上1.7m(成人男性の頭の高さ)を時速111㎞で通過。
  • 3.19秒後、立っている路面に、時速113㎞で激突!

この事態をどうとらえるかは、人によってさまざまだろう。
楽観的な人 落ちてくるまで3秒以上もある→ラッキー、逃げられる!
悲観的な人 コンクリート片が時速111㎞で頭を直撃する可能性が→もうダメだ~!

人生いろいろである。

当たらずに済む確率は?

ここからは、それぞれの人生観に寄り添って考えよう。

まず、悲観的な人のために。コンクリートの破片が時速111㎞でアタマにでも当たれば、確実にオダブツ。だが、当たるとは限らないではないか。希望を持って、直撃を回避できる可能性を探ろう。

それは、どんな大きさの破片が、いくつ落ちてくるのかによって決まる。

ゲームの画面を見ると、破片のサイズは、10㎝から20㎝とさまざまだ。
砕かれた破片は不規則な形になるはずだが、話を単純にするために立方体に置き換えると、重さは1辺10㎝なら2.5㎏、20㎝なら20㎏となる。

そして、巨大宇宙人の足が接触したビルの最上部は、10m×10m×10mぐらいの三角錐型に欠けた。三角錐の体積は170m3だが、ビルは全体積の20%ほどをコンクリートが占める。また、コンクリートは、1m3あたり2.5tの重さがある。ここから計算すると、落ちてくる破片の総重量は……ゲゲッ、80tである!

総重量80tのコンクリートのうち、40tずつが2.5㎏と20㎏の破片になったとすると、落ちてくるのは、20㎏の大きな破片が2千個、2.5㎏の小さな破片が1万6千個。合計1万8千個!

これは多すぎる。1個の破片を99.9%というかなり高い確率で避けられるとしても、どれかが当たってしまう確率は、99.9999985%に達する。助かるのは、6600万人に1人。わ~、どうにもならん!

すみません。絶望している人に寄り添うなどと言っておきながら、さらなる深い絶望の淵に叩き込んでしまいました……。

逃げれば助かる?

気分を変えて、楽観的な人の発想で考えよう。

巨大宇宙人の足が接触してから、破片が頭の高さに落ちてくるまで3.14秒。これだけあれば、100mを15秒で走れる人なら、20mも逃げられる。おお、これなら大丈夫か?

イラスト/近藤ゆたか

ここで思い出すのは、はるか昔、ガラス製の鍋のフタを2階の窓から落としてしまった苦い経験である。割れた破片は、キレイな放射状に飛び散っていた。
ここから考えると、落下した破片も、地面で砕けて放射状に飛び散るのではないだろうか。

計算すると、落下した破片は、砕けることによってエネルギーの20%を失うが、それでも時速101㎞で地面スレスレに飛び散る。先ほど仮定した「100mを15秒」というスピードは、時速24㎞だから、落下の時点で現場から20m離れていて、そのまま逃げ続けても、0.94秒後に背中にぶつかってくる。しかも、砕けて数が増えたため、おそらくドガガガガと!

だが、破片が背中に当たる速度は、破片が飛び散る時速101㎞-自分が逃げる時速24㎞=時速77㎞。何もしなければ、時速111㎞で頭を直撃するのだから、はるかにマシである。

教訓。『巨影都市』と同じ状況が発生したとき、生き延びられるのは楽観的な人である。ヒーローと怪獣の戦いで破片が落ちてきたら、とにかく逃げましょう。

※本記事における数値データは全てゲーム内の映像を参考にした推測値です。